DESIGN PROCESS

ホンダ学園関東校5号館

CLIENT 学校法人ホンダ学園
LOCATION 埼玉県ふじみ野市
TOTAL FLOOR AREA 2352㎡
STRUCTURE S造 地上3階

ホンダ学園は世界的自動車メーカーの本田技研工業直営の自動車大学校である。学園の目的は質の高い自動車整備士と世界に通用する開発エンジニアの育成にある。2006年、創立30周年事業として手狭となった教室と整備実習室の拡張を目指し新5号館を建設することになった。
設計事務所の選定にあたり、設計コンペが実施され渡辺建築事務所の案が採用されることとなった。

当選案はコストを抑えながらも有望なエンジニアの卵を育てる魅力ある空間の創造としてダイアモンドラーメン構造を提案した。

通常のラーメン構造は平面的に建物に対し直行にフレームを配置するが、ダイアモンドラーメンでは斜め45度回転して配置する。そうすることにより柱のスパンは直行配置に比べ、1/√2倍(約0.7倍)に短縮され、柱の本数も少なくなる。その結果、使用鉄骨量と共に柱の基礎も少なくなり、工期短縮とコスト削減の効果が発揮される。
今回は平面的に菱形となるダイアモンドラーメンを2個並列配置した。更に梁に方杖を付けることにより梁の長期曲げモーメントの低減効果に繋げている。方杖はボルト接合部をカバーリングし、樹木のような柱形状は外観よりカーテンウォール越しに視認できる。

最上階の学生ホールは日影規制により屋根形状をヴォールトとし、張弦梁システムの採用により中央の柱を経済的に抜くことが出来た。直行交差するアーチの下弦に2本のテンション材を設けた立体張弦は空間に緊張感を与え、講堂のモニュメント的な存在となっている。